離乳食を食べている途中で飽きてしまう理由 赤ちゃんの体の仕組みと対応ポイント

5ヶ月を過ぎて離乳食が始まり、離乳食作りに奮闘しているママは大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
レシピを考えて、離乳食を作って、食べさせて。
でも、こんなことってありませんか?
「なかなか集中して食べてくれない」「完食できない」「すぐに遊んでしまう」なんていうことで、困ることがあるのではないでしょうか?
このお野菜の味が嫌いなのかな?
私の作る離乳食美味しくないのかな?
ママやパパからしたら、完食して欲しい!と思うかもしれませんね。
食べ物そのものが嫌いなこともありますが、集中して食べられない理由の1つに、「噛む力」が関係しています。
今回は、「噛む」ということに焦点を絞ってお話ししたいと思います。
1. 「噛む力」と「吸う力」の違い
赤ちゃんはどのように物を噛むという練習をしていくのでしょうか。
1.1 噛む時の口の動き
5ヶ月頃の赤ちゃんは、まだまだ口を使う筋肉が発達していません(噛む力やモグモグする力)。
離乳食の初期の頃はペースト状なので、舌と上顎を使って、すりつぶすように食べます。少しずつ食事の内容が固形になっていくと、噛むようになっていきます。
1.2 吸う時の口の動き
授乳の場合は、おっぱいや哺乳瓶のちくびを唇と舌と上顎を使って、ミルクを吸い込みます。
生まれてきた時から今まではずっと吸う練習をしてきたので、「吸う力」ということには慣れています。
2. 少しずつ鍛えらるお口の筋肉
離乳食を始めたばかりの赤ちゃんは、まだ口をもぐもぐ動かしてすり潰すという行為には慣れておらず、筋肉も発達していません。
さらに離乳食の形状が固形に近づくにつれて、さらに口の筋肉が必要になります。
「噛む力」があまりないため、疲れてしまうんです。
大人でもお肉などを食べたり、食べ応えのあるものを噛んで、「口や顎が疲れた」なんていう経験があるのではないでしょうか?
それと同じです。
「吸う」と「噛む」とでは、使うお口の筋肉が違います。
しかし少しずつですが、毎日食べる練習をすることでお口の筋肉が鍛えられ、食べられるようになります。
離乳食を始めた赤ちゃんが、食事の途中で食べることをやめてしまったり、遊び始めたりする理由の一つには、お口の筋肉が発達中であるということが関係しています。

3. 食事のポイント
それでは食べることを途中でやめて今う場合、どのような工夫をしたら良いでしょうか?
ポイント1
もし食べるのをやめてしまうようでしたら、20~30分を目安に切り上げてみましょう。
少しするとまた欲しがるかもしれません。もし時間が空きすぎるようでしたら、次の食事に影響しますので、補食程度にしましょう。
ポイント2
食べ物の固さを変えてみるのも一つの方法です。
ただ、ずっと柔らかいものをあげ続けるのは、口の筋肉の発達に影響しますので、ある程度期間をおいて、再チャレンジしてみましょう。食べられるようであれば、固さのレベルをUPしてみて下さい。
月齢でこのくらいの固さのものは食べられるって雑誌には書いてあるのに・・・と心配になるかもしれませんが、赤ちゃんの発達は千差万別。
本やSNS等に書かれているのはあくまで基本であり、目安です。
多少の誤差は問題ありませんので試してみて下さいね。
4. 環境整備も大切な要素です
専業主婦の方、仕事をしている方など、家庭の環境は様々です。
早く子どもにご飯を食べ終わってほしい!と思うことって多々ありますよね。
でもここで注意!
ご飯は楽しく美味しく食べたいもの。赤ちゃんも同じです。一緒に食事をするのが嬉しいんです。
ママやパパと同じものを食べているだけでも子どもは嬉しいもの。食べるという行為にとても興味を持っているからです。
これが達成された時に、幸福感を感じることができ、脳からたくさんの幸せホルモンが出てきます。
また、食事の時はテレビを消してママやパパと向かい合って、声をかけながら食べられるようにすると良いですね。
食事をするという雰囲気づくりもとても大切です。
5. 注意したいポイント
いろいろ試してはいるけれどやっぱり難しい・・・。そのような時は、食事だけが原因ではない場合があります。以下に挙げる内容がポイントです。
①首の座りが悪い
②すぐにむせてしまう
③飲み込みが上手にならない
このような状態が続くようでしたら、体の発達に問題がある可能性が考えられます。この場合は医師に相談してみましょう。
6. 離乳食は食べる練習の時期
離乳食の時期は、「食べる練習の時期」です。
少しずつ食事の形態や量、食べ物の種類を増やしてゆき、お口の筋肉を発達させ、また胃や腸の働きを高めていき、体を丈夫にしていきます。
ですから完食を目指ずことを目的にはせず、練習の時期と考えましょう。
完食してくれたら万々歳です!
食後は必ずおっぱいやミルクをあげてください。
楽しい雰囲気で食べられると、心も豊かになりますよ。

おわり
今回は、離乳食を食べている途中でやめてしまったり、完食できない理由の一つである「噛む力」ということに焦点を絞ってお話ししました。
赤ちゃんの吸う口の動きと、すり潰す・噛む口の動きは異なり、筋肉の使い方が違います。
離乳食の時期は「食べる練習の時期」であり、お口の筋肉が発達していく時期です。
食べる時間を決めたり、食べ物の形状を工夫して、あなたの子どもに合った食事方法を考えて見ましょう。
たくさん食べて元気に育ってくれるといいですね。
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