新生児黄疸って何で出るの?黄疸のしくみと 自宅での2つのケアポイント

生まれたての赤ちゃん。
「なんか肌の色が黄色っぽくない?」「白目が黄色っぽいかも。」と感じているパパやママはいらっしゃるのではないでしょうか。
それは、「新生児黄疸」かもしれませんよ。
新生児黄疸は適切に治療やケアをおこなえば、徐々に改善されます。
でも心配ですよね。
今回は新生児期に黄疸がなぜ出るのか、どのような治療がおこなわれるのか、自宅ではどのようにケアをしたら良いかについてご紹介します。
1. 黄疸が出るしくみ
1.1 肺呼吸を始める赤ちゃん
黄疸は「ビリルビン」という黄色い物質が、血液中に増えた状態で起こります。
赤ちゃんは、お腹にいる間は羊水の中に浮かんでいます。
赤ちゃんがお腹の中にいる間は、赤血球に含まれるヘモグロビンという成分が、臍帯を通して酸素を運んでくれます。そのため肺を使って酸素は供給されません。
しかし生まれてくると、赤ちゃんは酸素を体に運ぶために肺で呼吸をし始めます。
肺で呼吸を始めると、血液に含まれる赤血球(ヘモグロビン)が活躍して、酸素を運んでくれます。
そうすると酸素を運ぶために血液に含まれる赤血球が、体の中で大量に分解されます。その時に出てくるのがビリルビンです。
1.2 ビリルビンはどうやって体の外に出ていくの?
黄疸は「ビリルビン」という黄色い物質が、血液中に増えた状態で起こります。
ビリルビンは肝臓を通して、血液や腸から吸収されます。そしておしっこやうんちから出て行きます。
でも生まれたての赤ちゃんは、まだ肝臓の機能が十分ではありません。そのため排出に時間がかかってしまい、体に溜まったビリルビンが体の表面に現れます。
これが黄疸です。
黄疸は一般的に、生後7日目あたりでピークを迎え、だいたい10~14日目には治まってきます。
これは専門用語で「生理的黄疸」といって、特に治療の必要はありません。

2. 母乳育児と黄疸の関係
特に母乳育児をしている場合、多くの赤ちゃんに見られます。
2.1 母乳性黄疸
母乳の中に含まれる物質がビリルビンの排出を妨げてしまうことで起こる黄疸を「母乳性黄疸」といいます。
しかし、母乳は赤ちゃんには害がないことが研究でわかっています。ですので、母乳を与えても構いません。
母乳って不思議で神秘的ですよね。
ただし、ビリルビンの数値が以上に高い場合は、一時的に母乳をやめてもらわなければならないこともあります。
その場合は、医師から説明があると思いますので、医師の指示に従って授乳計画を立ててください。
2.2 母乳哺育黄疸
母乳性黄疸とは別に「母乳哺育黄疸」があります。
これは、母乳がまだ十分に出ていない場合に起こります。授乳量が足りないため、血液内の水分が不足してしまい、ビリルビンが血液内に多く含まれている状態になるためです。
また授乳量が少ないと腸の動きが悪くなるため、うんちからビリルビンがなかなか排出されません。そのために黄疸が出現します。

3. 受診するのはこんなとき
ではどのような症状の時は注意すれば良いでしょうか。
☑️2週間たっても黄疸が治まらない
☑️あまり泣ない、元気がない
☑️発熱してぐったりしている
☑️母乳やミルクをあまり飲まない
☑️黄疸の症状が1ヶ月以上続く
☑️うんちが白い
このような時は、病院で相談することをおススメします。
4. 治療方法
では病院ではどのような治療がおこなわれるのでしょうか。
4.1 光療法
光療法といって、特殊な光線を皮膚に当てる治療をおこないます。日光浴に似たものです。
数回この治療をおこなうことで、ほとんどの赤ちゃんは良くなります。
それでも良くならない場合は、他の病気が隠れている場合があります。
4.2 交換輸血療法
ビリルビン値が高い、または体に後遺症が残る可能性が高い、重症の赤ちゃんに対しておこなわれます。
4.3 その他に考えられる病気
うんちは出るけれど、うんちの色が白い場合は、ビリルビンを出せていない証拠です。
これは肝臓と腸をつなぐための胆道が閉塞してしまう「胆道閉塞症」という病気の可能性があります。
胆道が詰まってしまうと、ビリルビンをうんちに排出することができません。そのため、うんちが白くなります。
手術が必要な場合もあります。
ビリルビンが体に溜まりすぎると脳へのダメージが起こり、発達が遅れたり、痙攣を起こしたり麻痺が出る原因にもなります。


5. 黄疸が出ている時の自宅での2つのケアポイント
ポイント1 母乳やミルクは続けてかまいません
ママにできる黄疸のケア方法は、授乳をすることです。母乳でもミルクでも構いません。
黄疸の原因の1つは赤ちゃんの血が濃いことです。たくさん授乳することで、水分が体に吸収されて血液が薄めることができます。
さらに授乳することで腸が動き、うんちを出しやすくしてくれます。もし、母乳が足りていないと感じるようでしたら、ミルクを足してみてください。
母乳が十分に出るようになれば完母にしていくことができますよ。
ポイント2 ビリルビンは光で分解される
ビリルビンは光で分解されます。カーテン越しで構いませんので、20~30分くらい日差しに当たりましょう。
おわり
今回は新生児黄疸についてご紹介しました。
赤ちゃんは産まれると同時に肺で呼吸を始め、たくさんの赤血球が分解されてビリルビンが血液中に出ます。
ビリルビンを排出するためには母乳やミルクをしっかりと飲んで、お腹を動かしうんちやおしっこをすることが重要になります。
また、日光浴をおこないビリルビンを分解しましょう。
黄疸が長く続いたり、うんちが白い場合は病院で相談してくださいね。
肌の色が戻って、安心して過ごせるといいですね。
この記事が、みなさんのお役に立てたら幸いです。
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